2023年12月に公開された映画「あの花が咲く丘で君とまた出会えたら」。汐見夏衛さんの同名小説を原作とした映画で、興行収入40億円を突破するなど成功を収めました。一方で同作の映画公開の際に、ひどいという声もなくはなかった模様?
今回は映画「あの花が咲く丘で君とまた出会えたら」がひどいと言われる理由、あらすじや見どころについて調査しました。
「あの花が咲く丘で君とまた出会えたら」とは
「あの花が咲く丘で君とまた出会えたら」とは汐見夏衛さんの小説作品であり、2016年に刊行、2021年から2022年には漫画化もされた作品です。2023年12月に福原遥さんと水上恒司さんのダブル主演で映画化されましたよ。
原作小説もヒット作ではありますが、映画化されたことでより作品の知名度、注目度もアップしました。その映画版では原作と設定が異なるところがあり、尺の都合もあって映画版では主人公達の恋愛模様や成長を重視した描き方がされ、展開もスピーディに進みます。原作ほど丁寧には描かれない部分もあるのですね。
映画版のあらすじ
現代に生きる高校生、加納百合は苦しい家庭環境の中にあり、学校でも孤立、生きづらさを抱えていたのですが、ある日、百合は1945年の日本にタイムスリップしてしまいます。混乱する百合を助けたのは特攻隊員の青年である佐久間彰。百合は彰や特攻隊員の人たち、戦時下で懸命に生きる人たちとの交流の中で百合は成長していきます。やがて互いに惹かれあう百合と彰、しかし特攻隊員である彰には避けられない死の運命があり……。
「あの花が咲く丘で君とまた出会えたら」がひどいと言われる理由は?
注目映画として宣伝も盛んに打たれ、高い注目度を誇った同作は、興行成績も好成績を収めました。一方で映画「あの花が咲く丘で君とまた出会えたら」はひどいと言う口コミも決して少なくはなかった模様。ここからは映画がひどいと言われる理由について調査しました。
タイムスリップの説得力が薄い
タイムスリップという設定はSF物のファンを惹きつけがちであり、「時空を超える」というリアリティからはほど遠い設定に如何に説得力を出すかも制作側の技の見せどころです。しかし本作ではタイムスリップの設定がかなり浅く、またタイムスリップした百合が1945年の世界に馴染むのが早めで、元の世界に戻る方法を探すなどのタイムスリップ物の定番の展開が見られない点で、タイムスリップ設定の良さを活かしていないと批判の対象になりました。
戦争描写が浅い
特攻隊員との恋ということで、タイムスリップ設定以上に戦時設定は物語の核になりそうなところではありますが、本作は戦争を扱った作品としてもどこか中途半端、戦争描写が浅いという声が多く見られました。特攻隊員というセンシティブな設定を扱う作品なだけに戦争描写について粗があった点は結構鋭く突かれていました。
百合の発言が苛烈
現代の価値観に生きる百合が戦争中の日本にタイムスリップした際に、現代的価値観を押し付けるような場面がたびたび見られ、百合の苛烈な発言に共感できないという声も見られました。今戦っている人たちに「日本は負ける、戦争は意味ない」といったことを語る百合。例え正論の側面があったとしても、もう少し配慮した言い方はできないものか……主人公に共感できないという方も少なからずいました。
恋に落ちるスピードが早い
百合のタイムスリップの順応の速さなどにも通ずる話ではあるのですが、百合と彰が恋に落ちるスピードが早い点が指摘されています。タイムスリップでやってきた百合を彰が受け入れる理由なども納得できるだけのものがなく、物語の核となる恋愛描写に感情移入できないという人もいたようです。
原作からの設定の変更
これらの不満点は、原作にもそのまま言えるもののように思えるかもしれませんが、実際には同作は原作と映画で設定が違う所が多々あり、百合と彰の恋愛へ発展する描写についても原作ではより丁寧に描写されていますし、タイムスリップ、戦争描写も原作はもっとしっかりしているのですね。原作からの変更が、改悪と評されるものだったことも、映画がひどいという声が多く飛び交うことになった理由なのでしょう。
見どころは?
では、ここまでに挙げられた、ひどいと言われているポイントをすべて改善したら映画としてもっとよくなるかというと、決してそんなことはなく、制作側は恐らく映画という尺的な制約や映画をヒットさせるための作戦として、意図的にタイムスリップ要素や戦争物としての描写をあっさりとしたものにして、恋愛面をクローズアップしているのだと思われます。
同作は若い層に特にヒットしました。恋への発展の速さも近年のトレンドを抑えたものだと思われ、死のタイムリミットがある中での若者の恋という感動物語をしっかり描き切ったのが本作の見どころだと思いますよ。
続編映画の公開が決定!
「あの花が咲く丘で君とまた出会えたら」の続編となる映画「あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。」の公開が決定しています!2026年8月7日に公開予定ですよ。続編も、同名タイトルの小説が原作となっています。
「あの花が咲く丘で君とまた出会えたら」のあらすじを見ると、この作品の続編っていったい何をするんだろうと思う人もいるかもしれませんが、続編では彰の生まれ変わりである宮原諒が現代で百合と出会うという展開が描かれます。特攻隊を扱った、悲恋を避けられないような設定から一転、希望の見えそうな設定ではありますが、続編では百合が見ているのは彰であり、諒ではないことに葛藤する諒など、簡単に大団円とはいかないようですよ。
最後に
今回は映画「あの花が咲く丘で君とまた出会えたら」がひどいと言われる理由やあらすじ、見どころについて紹介しました。あれもこれもと要素を欲張ると映画が台無しになってしまう可能性もあります。本作はターゲットを絞り要素の取捨選択を行ったことで、ターゲット外からの批判はありながらも名作として好成績を収めたのですね。
