『ゴーンガール』気まずい&胸糞悪い?実話なのか!あらすじ~考察。

ゴーンガール

『ゴーン・ガール』は、2014年に公開されたデヴィッド・フィンチャー監督によるサスペンス・スリラー映画で、ギリアン・フリンの同名小説を原作としています。この映画は、複雑に絡み合った夫婦関係、メディアの影響力、そして真実と認識の曖昧さを巧みに描いています。

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ゴーンガール:あらすじ

映画は、ニック・ダンネ(ベン・アフレック)とエイミー・エリオット・ダンネ(ロザムンド・パイク)の夫婦を中心に展開します。二人は見た目には完璧な夫婦ですが、実際には多くの問題を抱えています。ある日、結婚記念日の朝にエイミーが謎の失踪を遂げ、ニックは主犯格として疑われます。

メディアはこの事件を大々的に取り上げ、ニックに対する世論は一気に悪化します。一方で、エイミーの日記が発見され、そこにはニックへの恐怖と、彼による暴力の可能性が示唆されています。しかし、物語が進むにつれ、エイミーが自分の失踪を偽装し、ニックを罠にはめるために複雑な計画を立てていたことが明らかになります。

エイミーは自らの失踪を演出し、夫ニックに完璧な犯罪の罪を着せようとします。しかし、計画は完全にはうまくいかず、エイミーはやむを得ず自分の失踪をニックに責任があると世間を欺くために帰宅することを決意します。

この映画は、見事なひねりと意外な展開で、観客を最後まで惹きつけます。最終的に、エイミーはニックとの関係を続けることを選び、二人は互いに依存しながらも危険なバランスを保ち続けることになります。

『ゴーン・ガール』は、夫婦関係の暗部、真実とは何か、そして人々がどのように自分の物語を形成し、他人を操作するかについて鋭い洞察を提供する映画です。

ゴーンガール:キャスト

名前 役割 演者
ニック・ダン 失踪した妻の夫、主人公 ベン・アフレック
エイミー・エリオット・ダン ニックの妻、物語の中心人物 ロザムンド・パイク
マーゴ・ダン ニックの双子の妹 キャリー・クーン
デテクティブ・ロンダ・ボニー エイミーの失踪事件を捜査する刑事 キム・ディケンズ
タナー・ボルト ニックの弁護士 タイラー・ペリー
デズモンド・コリンズ エイミーの元恋人 ニール・パトリック・ハリス

ゴーンガール:気まずい?

この作品は16歳指定で、かなり性的にも暴力的にも気まずいシーンが多く取り入れられています。どんどんハードな展開となって行くので、親子での鑑賞はあまりおすすめできません。監督はデヴィッド・フィンチャー氏で、公開当時かなり話題となった作品ですが、夫婦間のダークな部分がテーマとなっているので、それなりに経験を積んだ大人が見る分には問題ないかとは思っています。私的にはこれから結婚しようとする若者には刺激が強すぎるので、割り切った見方の出来る人なら大丈夫なのかも・・と思います。

ゴーンガール:胸糞悪い

ニックとエイミー夫婦の出来事が綴られて行きますが、なんといっても妻のエイミーの露わになって行く異常な行動が、クライマックスに近づいて行く程に”胸糞悪い”状態になっていきます。先ずは始まりから見て行くと、結婚5年目にして妻が失踪という大変な事から始まります。

しかし、妻に失踪された可哀想な夫という展開かと思いきや、ニックの実際は妻の事を何にも分かっていない様子や、若い教え子と不倫を続けていたりと、前半はニックに対してプチ”胸糞悪さ”を感じます。ここでプチとしたのは、エイミーの行動に対しての比較です。そのエイミーは笑顔でニックと生活を続ける中で、その心中は彼に対する嫌悪感でいっぱいだったのです。

彼をおとしめるためにエイミーがとって行く行動が猟奇的で、そのサイコパス的なやり方からは良心の呵責などみじんも感じられず、本当に”胸糞悪い”という表現がぴったりな人物でした。

ゴーンガール:実話

『ゴーン・ガール』は、ジリアン・フリンが書いたフィクションの作品であり、実際の出来事に基づいているわけではありません。フリン自身も、この物語が特定の実際の事件からインスパイアされたわけではないと明言しています。しかし、彼女の作品は、結婚生活の暗部、メディアによる人物の断罪、そして現代社会におけるアイデンティティの問題など、現実のテーマを取り入れています。

『ゴーン・ガール』のストーリーは完全に架空のものですが、そのリアルな心理描写や、結婚という関係性を巡る深い洞察は、多くの読者や視聴者に共感を呼び、リアリティがあると感じられるかもしれません。この作品は、フィクションを通じて、現代社会の様々な側面を鋭く批評しており、そのために現実の事件や問題に触発されたテーマを扱っているように見えるかもしれませんが、具体的な実話に基づいているわけではありません。

ゴーンガール:考察

エイミーについて考察して行きます。彼女の育った環境は、親の書いた児童文学書『アメイジング・エイミー』が大変有名となり、そのモデルであるエイミーもまた世間の注目を浴び「完璧な少女」を自然と演じる事を余儀なくされていきました。幼少期からエイミー自身の本質に両親は目を向けていなかったのだと推察します。本当の自分を両親から透明な存在としか認識されず、『アメイジング・エイミー』としか見てもらえなかったとしたら・・。

それをエイミーが理解していなかったとしても、深層心理部分では体感していたのではないでしょうか。サイコパスの特集を観ていると、特徴としてどんなひどい状況でも心乱れる事無く行動ができるようです。その気質を持っていても育った環境で違いが出てくるみたいです。良い環境なら凄腕の外科医や敏腕弁護士などになり、良くない環境で育ってしまうと悪い方向へと進んでしまいがちだそうです。

それがどれ程の確率なのか分かりませんが、その事に沿って考えると、ニックが理想の夫から外れてしまって、それを見限ったエイミーのとんでもない行動も少しは理解できる気がします。次はニックについてですが、結婚生活で次第にエイミーから気持ちが離れていってしまったのも、どこかでエイミーの異質さを感じていたのかもしれません。

終盤エイミーが戻って世間の騒ぎが収まった後の、エイミーの真実を世間に言いたいという企みも、彼女の妊娠と仲の良い夫婦を演じ続けようとするエイミーの確固たる態度の前には消し去られてしまうのです。エイミーは幼少期から作られた”器”を演じてきたのですから筋金入りで、ニックがどうにかできるものではないというのが彼女の奇行からも伝わって来て「偽りの夫婦関係」にぞっとさせられます。

 

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