犯罪都市デトロイトに降り立ったのは、機械仕立ての警察官ロボコップです。銃弾は全て跳ね返し、どんな凶悪犯でも太刀打ち出来ません。ロボコップを生み出したのは、警察を管理する民間会社オムニ・コンシューマ・プロダクツ(オムニ社)。ロボコップで、治安の改善を目指していきます。1987年に公開されたロボコップは、全世界で大ヒット!後に続編やアニメ、リメイク作品も制作されました。
「ロボコップ」のあらすじ
オムニ社の若き役員ロバート・“ボブ”・モートンは、ロボコップ計画を進めていました。オムニ社はデルタ・シティの建設へ着手に動いていたものの、犯罪が多発しているため計画は上手くいきません。そこでボブは、警官の遺体を使ったスーパー警察官「ロボコップ計画」を進めるのでした。
ボブが生み出したロボコップは、デトロイトに巣食う凶悪犯を次々と撃退。ボディはオムニ社の研究者によって管理されており、常に万全の状態で事件を取り締まります。
ある日のこと、ロボコップは突然誤作動を起して勝手にパトロールへと向かいました。パトロール先で出会ったのは、ロボコップを虐殺した犯人の一味です。
ロボコップの正体は、デトロイト市警に赴任していたアレックス・マーフィー巡査。人としての自我が芽生え、自身を虐殺した犯人に牙を向けるのでした。
「ロボコップ」のキャスト
ロボコップ/アレックス・マーフィー役:ピーター・ウェラー
アン・ルイス役:ナンシー・アレン
ディック・ジョーンズ役:ロニー・コックス
クラレンス・ボディッカー役:カートウッド・スミス
オムニ社会長役:ダン・オハーリー
ボブ・ロバート・モーガン役:ミゲル・フェラー
人としての尊厳を考えさせられた映画
人としての尊厳について考えさせられる内容でした。
警察はオムニ社の管轄にあるので、オムニ社の命令は絶対です。だからオムニ社がロボコップの銃撃を命令すれば、躊躇なく実行に移します。仲間のピンチには駆けつけようともしない警察官が、オムニ社の命令に従う姿は、本当の意味での「ロボコップ」です。
一方でロボコップご本人。ロボコップは全身を改造されて、記憶すらも失ってしまいました。しかしマーフィーだった頃のクセは、抜けきれていません。また自我を取り戻し、かつて家族で幸せに暮らしていた家へとやって来ます。
人間の警察とロボコップ、どちらが人間としての尊厳を持っているのかは明らかです。どんなに上から押さえつけたとしても、戦う人が持つ「人間の尊厳」を奪うことは出来ません。奪えるのは「戦わない人」の尊厳だけです。
最後のセリフがしびれる!
ロボコップといえば、最後のセリフです。最後のセリフ一言だけで、全部持っていかれます。最高です。
ハードボイルドな映画は、ここ最近見なくなりました。アクションとして凄い映画は、たくさんあります。CGの発達で、スタイリッシュに魅せてくれるアクションも珍しくありません。
一方で、泥臭いアクションは見かけなくなりました。泥だらけで傷だらけになりながらも、悪い奴に立ち向かう内容の映画は「古臭い」と感じるかもしれません。でも見方を換えれば、命がけで悪者に立ち向かってきた証拠でもあります。
命がけで戦った後、ロボコップはポツリとセリフを発します。泥だらけになって戦ってきたからこそ、映えるというもの。
主演のピーター・ウェラーについて
最後に、主演を勤めたピーター・ウェラーについて触れておきましょう。
「ロボコップ」の出演でブレイクを果たしたピーター・ウェラーは、他にも数多くの映画やドラマに出演しました。出演ドラマの中には、日本でも人気の高い作品も。
なおピーター・ウェラーは、過去に何度か来日もしています。2024年5月にも来日し、大阪コミコンのセレブ・ステージで大暴れしていました。当時76歳。ピーター・ウェラーに「年齢」という概念はありません。
セレブ・ステージに立つと「ココニ、イラレテ、ウレシ」と日本語で挨拶。お茶目な一面がある一方で、大変紳士な一面も見せてくれました。通訳がわかりやすいように、ゆっくりな英語で1つ1つの質問に回答。答えている最中も「Go ahead(さあ、どうぞ)」と、通訳のタイミングを自ら出してくれました。