2020年最大の話題作の「TENET(テネット)」は理解するのが困難といわれるほど難しい内容になっています。しかしその波紋が逆に宣伝効果となりヒットを記録しました。時間の順行と逆行が一つの場所で交じり合うため、常識の世界とかけ離れたシーンが多くあります。作品の中で登場するニールの正体は最後まではっきりとは明かされませんでした。今回はニールの正体やテネットの謎を解説していきます。
「テネット」でのニールの活躍
正体が明かされることがなかったニールですが、ファンの間では「ニールはキャットの息子ではないか?」という説です。この疑問について5つの視点から解説していこうと思います。そもそもニールの初登場は映画冒頭のオペラハウスのシーンでした。テロの被害を最小限に抑えようと奔走していた主人公を救った謎の人物がいます。彼のバックパックにはオレンジ色のコードがついており、のちにニールのバックパックにも同じものがついていました。
オスロ空港
キャットの弱みであるゴヤの贋作を奪うためオスロ空港の金庫にやってきた二人は、時間を逆行してきた何者かと遭遇します。主人公はその人物を殺そうとしますが、ニールはそれが未来の主人公であることを知っていたため阻止しました。主人公も後にそれが自分であることを知りましたが、ニールは男の正体について何も言いません。
スタルスク12
セイターの部下たちがスタルスク12でアルゴリズムを起動するのを阻止するため、主人公とアイブスは時間を順行してアルゴリズムが隠してある場所に向かいます。一方で任務のために時間を逆行していたニールは、隠し場所の入り口に敵が爆弾を仕掛けているのを目撃します。主人公たちに警告しようとしますが間に合わず彼らは閉じ込められてしまいました。ニールは順行し丘の上を目指し、隠し場所の地下に通じる穴にロープを投げ込み、この後主人公たちは脱出することができるのです。
彼の行動の一貫性
ニールはその後時間を逆行し地下に入って主人公たちを待ち、彼らを阻む扉の鍵を内側から開けました。しかしその時敵に撃たれてしまい命を落としてしまうのです。主人公がピンチに陥ったときは必ず救ってきたニールは、まるで彼の任務が「主人公を死なせないこと」だったのではないかと思うほどでした。彼は映画の中で「起こってしまったことは仕方がない」といいますが、自分が命を落とすことも分かっていたのではないでしょうか。
ニールはキャットの息子説:ニールとマックスの名前
ここからは先ほどあげたニールはキャットの息子だといわれている説の根拠について解説していきたいと思います。まず一つ目に注目されているのは、彼の名前についてです。キャットの息子マックスの正式な名前はMaximilien(マキシミリアン)ですが、その最後の4文字を反転させるとNeil(ニール)になることから息子なのではないかといわれています。さらに解説するとハイフンで区切って“Max-imi-lieN”にすると“Max I’m”と“Neil I’m”が回文のようにつながっているように考えられます。
ニールはキャットの息子説:初対面で主人公にかけた言葉
作中で主人公と初めて顔を合わせた時、ニールは彼のためにダイエットコーラを頼みます。この行動は彼が未来から来たため、主人公が任務中は酒を飲まないこと、そして何を飲むのかを知っていたからということになるのです。このシーンでニールは主人公に任務のためには女性や子供を人質にとるかどうか聞きました。主人公がキャットたちを守る気があるのか確かめたかったのではないでしょうか。
ニールはキャットの息子説:エストニア語が話せる
カーチェイスのシーンで主人公は、ニールに「エストニア語が話せるんじゃないか?」と尋ねます。セイターはエストニア人であり、エストニア語は英語を母国語にしている人には習得が難しいといわれているそうです。マックスはキャットの息子であり、セイターの息子でもあります。ニールがマックスだとすればエストニア語が理解できることにも納得がいきます。
ニールはキャットの息子説:セイターが犯した唯一の間違い
セイターは死ぬ間際に「唯一の間違いは子供をもうけたことだ」と言っています。これはマックスのことではありますが、未来から来たセイターは自分の息子が将来どうなるのかを知っていた可能性が高いです。マックスが成長してニールと名乗り、テネットのメンバーとして父の計画を阻止することになるかもしれません。作品の中でニールとセイターが一度も顔を合わせていないのもそのためではないかといわれています。
ニールはキャットの息子説:主人公がキャットの命を救う
映画のラストシーンで主人公はプリヤがキャットを暗殺しようとしているのを阻止します。それは同時にマックスの命を救うことでもありました。画面にはマックスとキャットの2人の後ろ姿が映っています。キャットの命を私情から救ったのであれば彼女だけが移されるのは普通ですが、マックスの存在があるからこそ2人の姿を主人公は見つめているのではないでしょうか。
TENETの謎
TENETとは信条を意味する英単語です。その解釈については様々なパターンが考えられていますが、時間の順行と逆行の転換点である回転ドアを象徴しているのではないかと考えられます。TENETという英単語は右から読んでも左から読んでもTENETと読めます。それは過去から未来、未来から過去という2つの時間の流れが左右対称として両立していることを指しているようです。
まとめ
TENET(テネット)の作中に出てくるニールの正体について詳しく解説していきました。監督からの明確な発言はないものの作品の中でたびたび描かれている主人公との関わりから、可能性としては高いのではないでしょうか。ニールは謎めいたキャラクターでありながら魅力的なキャラクターでもあります。abcd-blog.comのインフルエンサーたちの中での話題の映画だったと思います。マックスが成長してニールになる過程で主人公と絆を深めてきたのであれば設定としては非常に面白いかもしれません。