「ロジャー・ラビット」:アニメと実写の融合!アカデミー賞級の映像技術!

1988年に公開された映画「ロジャー・ラビット」は、1947年のハリウッドを舞台が舞台の作品です。アニメのキャラクターが現実の世界に存在し、彼らは「トゥーン」と呼ばれています。トゥーンの中には世界的な大スターとなり、成功を収めている者も。そんな世界で1人探偵業を営む人間のエディは、奇妙な依頼を受けることに。依頼はエディにとって朝飯前の筈でした。

目次

あらすじ

エディは、映画会社「マルーンスタジオ」の社長RK・マルーンに、ジェシカ・ラビットの不倫現場を抑えるように依頼しました。

 ロジャー・ラビットは、マルーンスタジオを支える看板スターです。しかし妻のジェシカに入れ込んでいるため、撮影は上手くいきません。そこでジェシカへの熱を取り除くために、エディは不倫現場を抑えることとなりました。

 ジェシカの不倫相手となったのは、人間のマーヴィン・アクメ。トゥーンが住むトゥーン・タウンのオーナーです。エディは2人の不倫現場をカメラに収め、ロジャー・ラビットに報告。写真を見たロジャーは酷く落ち込み、どこかへと消えていきました。

 翌日、マーヴィン・アクメの他殺体が発見。容疑者として警察が目をつけたのは、ロジャー・ラビットでした。

映画の登場人物

  • エディ・バリアント役(人間)/ボブ・ホスキンス
  • ロジャー・ラビット役(トゥーン)/チャールズ・フライシャー
  • ジェシカ・ラビット役(トゥーン)/キャスリーン・ターナー/エイミー・アーヴィング(歌)
  • ドロレス役(人間)/ジョアンナ・キャシディ
  • ドゥーム判事役(人間)/クリストファー・ロイド

「ロジャー・ラビット」の見どころ1:映像技術

「ロジャー・ラビット」の見どころは、映像技術です。アカデミー視覚効果賞・アカデミー編集賞・アカデミー音響効果賞を受賞しました。

 2020年代だったら、CGで全て済ませてしまうでしょう。1988年当時もCGは確立されていましたが、アニメと実写を融合させるとなると厳しいものがありました。そこで取られたのは、アナログ手法。CGではなく、全て手作業です。

 更に驚くべきは、物理的な反応です。クッションを指で強く押せば、押した部分は凹みます。合成されたアニメがおこなうと、全く出来ません。CGが発達した現代においても、不可能です。

 そんな不可能を可能にした映画こそが、35年以上前の映画「ロジャー・ラビット」でした。

「ロジャー・ラビット」の見どころ2:夢の共演

「ロジャー・ラビット」では、ワーナー・ユニバーサルやディズニー等の有名どころの映画会社が共演を果たしました。

 ディズニーからは、ミッキー・ドナルド・グーフィー。他にも、ピノキオやダンボといったオールスターが勢揃い。

 ワーナーからは、バックスバニーやトゥイーティー、ヨセミテ・サムも独自の貫禄で映画を彩りました。

 さらにウッディ・ウッドペッカー(ユニバーサル)、ベティちゃん(パラマウント)も、映画に登場。カートゥーン好きにはたまりません。

「ロジャー・ラビット」の感想

「ロジャー・ラビット」は子供向け作品ですが、子供騙し作品ではありません。大人目線で本作を見ても、面白い作品でした。

 キーパーソンとなるのは、アニメキャラクターのロジャー・ラビット。ロジャーがスクリーン中を駆け巡る姿を見れば、誰しもが「子供向け」と思われるでしょう。良い年齢をしたリアルのオッサンが、ウサギキャラに翻弄されるシーンを子供が見れば爆笑確定です。

 でもロジャーが暴れるだけで物語が終れば、ただの「子供騙し」になります。妙にリアルなシーンも、織り込まれていました。事業変革により、クビとなる従業員の姿が映し出された時は心苦しかったです。

 少しでも方向性を見誤れば、鬱映画になっていました。エンターテイメントの裏側をドロドロに描いた作品として、違う方面で語り草となっていたことでしょう。鬱映画ではなくコメディタッチな作品に仕上げた功労者こそが、アニメがもたらした「笑い」でした。

 どんなにつらい状況でも、笑いがあれば人生何とかなるもの。鬱映画とは真逆の、ポジティブな映画でした。

その他の映画情報は、Film-Logもあわせてチェックしてみてください。

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