「左利きのエレン」
彼が大学入学が決まった光一とエレンに言った、スタートラインについての言葉がささります。
何かを得た時に始まる人生と、何かを失った時に始まる人生があるという含蓄のある言葉にぱ聞き入ってしまいました。
とにかく人生って失敗してもいいへこたれてもいい、でも捨てたもんじゃないとこのドラマは語り掛けてくれているのではと感じさせられるのが良かったです。
「左利きのエレン」の伏線・考察・見どころについて解説します。
左利きのエレンの見どころ①光一の仕事ぶり
朝倉光一は大手広告代理店に勤める若手デザイナーです。
ヒエラルキーでは、局長を頂点にクリエイティブ・ディレクター(CD)、アートディレクター(AD)、そして最下位であるデザイナーの部分に位置しているのが光一なのです。
これからのし上がって行こうと意欲満々の光一に対して、良くも悪くも刺激を与えて行く上司たちとの関わり合い方や、その上司たち自身の人生模様もこれからの1つの見どころです。
先ずは3億円のかかったプレゼンに奮闘していく光一とその後の結果にいら立つ様子に、まだまだ未熟だと突き付けられた葛藤に、働いてきた者たちには共感する部分もあるかと思いました。
左利きのエレンの見どころ②エレンと父親と光一
つねに不満を抱えたような笑わないエレンに惹きつけられます。
若い頃から絵に非凡な才能を持っていたエレンでしたが、父親の突然の死に当時はなかなか動き出す事ができなくなっていました。
現在はニューヨークでアーティストとして活動していて、その傍らには学生時代、光一に心を寄せていたさゆりがいました。
スランプみたいで、次の作品を作れずに苦しんでいました。
学生時代のエレンと光一は仲が良い訳でもなく、光一はエレンの才能に惚れこむものの、エレンは光一の事を「へたくそ」と凡人扱いしていましたが、いつでも”刺激を与えあう関係”なのが面白いです。
左利きのエレンの見どころ③リアルな表現
アーティストとかモデルなど非凡な人たちも出てきますが、光一の働く広告代理店でのみんなの様子は等身大のストーリーとして語られ、リアルな感じがヒシヒシと伝わって来るのももう一つの見どころです。
そんな中でも、光一ら若手を率いる神谷チームの社内での動向や、クセノ強い柳の影響を受ける光一の変化など見どころは沢山あります。
クリエイティブな世界だからなのか”才能・非凡”とか”普通・凡人””勝つ・負ける”に誰もが強くフォーカスしているものの、多かれ少なかれ人生において誰もが感じている事が、この作品でギュっと濃縮された表現となっているのが興味深かく感じました。
何にせよ光一というのは、本人は気づいていないかも知れませんが、近しい女性たちに大きな刺激を受けて成長している気がして、その点は幸せ者だなぁと思いました。
彼の最後に出す”答え”はどんなものになるのでしょうか。