「ペイン・キラー:死に至る薬」
監督のピーター・バーグは、「バトルシップ」や「パトリオット・ディ」などで有名で、今作はどんな風に作り上げてくれているのか楽しみに観て行けました。
普段は人を助けるはずの鎮痛剤が、アメリカでは依存症となり酷くなると中毒や死亡に至る大きな問題となっているのを知り大変驚かされました。
そこには患者のために薬を開発したのではなく、儲けるために様々な工夫を施して自社を肥大化させていった経緯が見て取れゾッとさせられました。
それに立ち向かう連邦検事局の捜査官エディ・フラワーズが、人間臭さと使命感を感じさせられてとても頼もしかったです。
「ペイン・キラー:死に至る薬」の伏線・考察・見どころについて解説します。
監督: ピーター・バーグ
出演: マシュー・ブロデリック, ウゾ・アドゥーバ, テイラー・キッチュ, ディナ・シハビ, ウェスト・ドゥカヴニー, ジョン・ロスマン, クラーク・グレッグ, ジャック・マルハーン, サム・アンダーソン, アナ・クルス・ケイン, ブライアン・マーキンソン, カロライナ・バルトチャク, ロン・レア, ノア・ハープスター, ジョン・アレス, ジョニー・スニード, タイラー・リッター, マット・バラム
ペイン・キラー:死に至る薬の見どころ①エディ・フラワーズという女性
最初はちょっと登場人物たちの立ち位置が分かりずらく、もう少し説明があっても良かったのではと思ってしまいました。
最初に出てくるフラワーズという女性は連邦検事局の捜査官で、リチャード・サックラーという人物に対して相当の嫌悪感を持っている様子に、相当な事があったと想像されます。
彼女がオキシコンチンを知ったのが1998年で、バージニア州の病院での診療報酬の不正請求を調査する仕事についたのが始まりでした。
現地で調査を進めて行く中で、オキシコンチンに中毒症状を抱えた男性が薬局で騒ぎを起こすシーンがあり、その怖さを感じさせられます。
そんな彼女が地道に製薬会社の不正に立ち向かっていく様子が表現されていくので、じわじわと期待感をもたらせてくれます。
まぁ最初からそんなに事はすんなりとは進まないので、そこが大きな見どころでもあると思っています。
ペイン・キラー:死に至る薬の見どころ②薬を開発して行った様子が詳しく分かる
エピソード1で、この大問題となっている薬の始まりが解説されるので理解が進みます。
「アーサー・サックラー」が事の始まりで、製薬革命の時代に精神科医をしていてロボトミーを利用して薬で儲けようと考え始めるのです。
悪事の方にも頭が働くみたいで、先ずは製薬会社と広告代理店を買収して製薬会社のビジネスモデルを構築、詐欺師の様に薬を宣伝して行くところが卑劣です。
その強い影響を受けていたのが甥の「リチャード・サックラー」で、彼の後を継ぐように「パーデュー製薬」に目をつけ、肥大させていくのが嫌らしいです。
当時はモルヒネという良く効く薬があったものの、リチャードは幸福感をもたらす新薬を作る事を目指して動き出します。
中にヘロインを入れるというのが怖いです。もうすでに儲かる事しか頭にない様子です。
「医師の管理の元で」という言葉を免罪符にしているのが最悪です。
ペイン・キラー:死に至る薬の見どころ③新人シャノン
製薬会社で営業として働き出したシャノンが、会社から衣食住を提供され何不自由のない生活と仕事をゲットして意気揚々と働くのですが、エピソード2ではある医師がオキシコンチンの成分について疑問を投げかけるシーンも見どころです。
そのあっという間に広がった新薬の本当の怖さを理解している彼の言葉に注目してしまいます。
彼女はこのまま何も考えず営業を続けて行くのでしょうか。