「デリート」の伏線・考察・見どころについて解説します。
出演: ナッタラット・ノパラッタヤポーン, ナット・キチャリット, サリカー・サートシンスパー, チュティモン・ジョンジャルーンスックン, ジャオナ・ジンジェット・ワタナシン, シャーレット・ワシタ・ヘルメナウ, ノパチャイ・チャイヤナーム, ソンポーブ・ベンジャテクル, スパワン・プーンチャルーン, ドゥアンジャイ・ヒランシー, ポーンティップ・キットダムロンチャイ, ドゥッダオ・ヴァドハナパーン, パタラスダ・アヌマン・ラジャドン, チャートサック・プラトゥムシーサコーン, チョンチャナ・サイチャンホム, ジンダラット・ズヤ, ティーラトン・タラウォンピタック, チャリサ・シャウブ, ヤサカ・チャイソーンャ
①リリーとエームの関係
リリーが買い物中に、不思議な雰囲気をまとった少女から自分の携帯で写真を撮って欲しいと頼まれます。
何故こんな店内で?と思うし、何故少女は泣いているの?消えてしまったの?と疑問だらけの始まりでした。
その1週間前にリゾート地でリリーがエームと楽しく過ごしていた時、手にしていたのは「消滅と出現」という本で、そのタイトルからはこれから起こる物語を示唆しているのかなぁと気になります。
しかしそれぞれが帰宅していく様子に、ただのカップルではない事がすぐに分かって来ます。
リリーはルンロー農場の奥様であり、運転手にお金を渡して一人で出かけて行った事にしてもらっています。
夫はトゥーといい、一見穏やかそうでしたが射るような眼をしていて、リリーの大切な馬が大ケガをしてしまった時に、苦しめない為とリリーに尋ねる間もなくあっという間に撃ち殺してしまったのを見ると、独裁的でもうリリーの心は離れてしまっていると想像してしまいます。
一方のエームもまた彼女オーンと同棲している様子です。
どちらもパートナーの浮気に感づいている様なので、その後どんな変化が起こって行くのかと目が離せません。
②リリーの失踪など
その後リリーが失踪してしまい、またあの不思議な携帯で消えてしまったのか?それとも誰かの思惑で連れ去られたのか?と気になってしまいます。
またリリーらの暮らす家には義理の妹もいて、彼女とリリーの関係や学校での出来事なども事が複雑になって行く原因の1つでもあるのです。
そして事件を追う刑事の出現で、どんどんそれぞれの関係が明らかになって行くと共に、問題も複雑になって行くのが凄いです。
後半くらいから今までの点だったものが、線となり「あぁここに繋がっていたのか~」と徐々に分かってくる点が面白いです。
そこには人を消せる携帯の使用ルールなるものも語られるのが興味深いです。
③後半に行くほどの重厚なストーリー
最初の頃は不倫をする2組のドロドロの人間模様を観て行く作品かと思いきや、人を消せる携帯が波紋の様に周りの人間達の人生を狂わせていくのが予想以上で、怖い感じでしたが面白かったです。
そしてどの回をとっても、登場人物一人一人の複雑に変化して行く感情や行動が表現されていて見ごたえがありましたし、また、見逃しが無いよう観察して行かなければならない設定にもうなってしまいました。
最後の最後、トゥーの家の猟奇的なシーン・・過去に何が起こっていたのかと唖然としてしまいます。
そんな気持ちを抱えたまま、何とも言えない感じで終わるのでした。
近年のアジアドラマや映画の力強さをこの作品でも味わえ、最後まで一気に見てしまう程に面白かったです。